販売管理システムの導入を検討している方のなかには、「システムの機能を知りたい」「導入するメリットや選び方が分からない」とお悩みの人もいるのではないでしょうか。
販売管理システムを導入すると、販売に関するデータを一元管理し、一連の業務を効率化できます。
この記事では、販売管理システムを導入するメリットや機能について解説します。システムの選び方も解説するので、販売管理を自動化したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
販売管理システムとは:販売データを一元管理できるシステム
販売管理システムとは、販売に関するデータを一元管理できるツールです。
販売は、商品の提案や受注、出荷、顧客対応などを通じて、顧客に価値を提供する仕事です。これに伴い、モノやお金の流れを円滑に管理するために、商品の情報から顧客や仕入れ先のデータに至るまで、多様なデータを取り扱います。
しかし、膨大な販売データを手動で管理すると、「データ入力に時間がかかる」「ミスが起きやすく情報の正確性に欠ける」など多くの課題が発生します。
販売管理システムなら、販売に関するデータを正確かつ効率的に一元管理できるため、作業効率の向上や人的ミスの削減に効果的です。蓄積した販売データを分析すれば、経営戦略を立て直したり事業の拡大を図ったりすることも可能です。
販売管理システムは、業務を効率化させるだけでなく企業のさらなる繁栄に向けて活用できる、有意義なルーツといえます。
販売管理システムの基本機能
販売管理システムの基本機能は、主に3つあります。
- 販売管理
- 在庫管理
- 購買管理
それぞれ解説します。
1. 販売管理
販売管理システムの基本機能の一つとして、販売管理があります。見積や受注、売上、請求管理などの業務を一元的に行えるのが特徴です。
例えば、見積機能を使うと、見積書の作成や過去に出力したデータの検索・表示が可能です。作業効率が上がるだけでなく、履歴を参照しつつ一貫性のある見積書を簡単に出力できるため、スムーズな営業活動が実現します。
また、請求管理機能では、売上データをもとに請求書を自動で発行したり代金の未回収を検索したりと、支払いに関係する処理を簡単に行えます。債権の情報を可視化し、適切な策を講じることで、未収金の発生や請求漏れなどのリスクを予防できるのです。
販売管理の機能によって、作業効率を大幅に改善できるうえに業務の整合性を図ったり起こりうるリスクを減らしたりできます。
2. 在庫管理
販売管理システムには、在庫管理も備わっており、主な機能としては入荷や出荷、棚卸の管理などが挙げられます。
入荷管理では、商品が入荷すると自動的にシステムへ反映されるため、正確に在庫情報を把握することが可能です。出荷管理では、注文が確定すると在庫数を参照し、自動で出荷指示を作成します。出荷後の在庫量もリアルタイムで確認できるため、実数とデータに違いが生まれません。
また、システムの情報をハンディ端末に連携できるものもあり、実際の在庫数とデータ上の数をその場で照合できるため、棚卸作業が大幅に効率化します。
在庫管理は、在庫量を適正に保ち、注文を受けて素早く顧客へ商品を届けるために欠かせない業務です。在庫管理の機能によって正確な在庫数を常に見える化できれば、手作業によるミスやムダがなくなり、不足や余剰のない倉庫を維持できるでしょう。
3. 購買管理
購買管理も、販売管理システムに含まれる機能の一つであり、仕入れに関する情報を管理できます。
システム上のデータは販売情報や在庫情報とも紐づいているため、どの商材をいつ、どれくらい仕入れるべきかが明確になります。購買管理機能とその他の情報を総合的に利用することで、最適なタイミングで適正な量の仕入れが可能です。
また、購買管理では発注書の自動作成や、仕入れ先への支払い状況の把握ができます。取引先に遅れなく代金を支払えるのはもちろん、企業ごとに異なる検収のタイミングにも対応できるのです。
支払い状況の管理がしやすくなると、対外的な支払いが確実に行えるだけでなく、社内的な購買にかかわる業務も円滑に行えるでしょう。
販売管理システムの種類
販売管理システムの種類は、以下の2つです。
- オンプレミス型
- クラウド型
それぞれ解説します。
オンプレミス|買い切り
オンプレミス型は、買い切りタイプの販売管理システムです。自社にサーバーなどを用意してシステムを稼働させます。
オンプレミス型には、既存のシステムを活用するパッケージ型や、ゼロからオリジナルのシステムを開発するスクラッチ開発型があります。両者は、それぞれ特色があるものの、システムを買い切る点で共通しています。
システムを買い切ると、ランニングコストがかからないもしくは安く抑えられるのが特徴です。また、社内にサーバーを設置するオンプレミスでは、高いセキュリティ性を確保できるのがメリットです。自由度の高い開発型なら、自社の業務やフローに合わせてシステムをカスタマイズすることも可能です。
一方で、導入コストが高額であることや、導入までに時間がかかるなどのデメリットもあります。また、サーバー設置やシステムの保守を自社で行う必要があるため、オンプレミス型の販売管理システムは、初期投資や設備、IT人材が必要である点に注意が必要です。
クラウド|サブスクリプション
クラウド型の販売管理システムは、サブスクリプション型で、一定の料金(月額や年額)を支払ってシステムを利用する形態です。初期投資を抑えてすぐにシステムを使い始められる魅力があります。
利用者は、インターネットに接続するだけで販売管理システムにアクセスできるため、自社内にサーバーを設置して管理する必要がありません。また、サービス提供側がサーバーのメンテナンスを行ってくれるため、保守や運用の手間をかけずに利用できます。
さらに、自社の業務に合わせたカスタマイズも可能です。ただし、オンプレミス型と比べると、変更できる範囲や選択肢は限られる点に注意しましょう。
クラウド型の販売管理システムは、カスタマイズの自由度は低いものの、販売管理システムを安く・気軽に利用してみたい方に適しています。
販売管理システムを導入する4つのメリット
販売管理システム導入のメリットは、以下の4つです。
- 業務の効率化
- コストの削減
- データの有効活用
- コンプライアンス強化
それぞれ解説します。
業務の効率化
販売管理システムを導入すると、データ入力の手間や手作業によるミスが減り、業務を効率化できます。
受発注・見積・請求書の処理など、モノやサービスを販売するにはさまざまな業務がかかわっています。各フローにおいて作業の効率と精度が向上すると、フロー全体にかかる時間が短縮されて、大幅な生産性のアップが期待できるでしょう。
また、一連の業務フローが効率化するだけでなく、部門同士の連携もしやすくなります。各部門が同じシステムを閲覧・使用することで、データの共有が簡単になり、異なる部署間でも共通の認識を持って問題解決に取り組めます。
販売管理システムの導入によって従業員の連携が強化され、トラブルが起きても対処しやすい体制が整うと、業務効率や生産性をさらに高められるでしょう。
コストの削減
販売管理システムの導入によって、データの入力、編集などの手作業が減ると、人的コストを削減できます。
作業にかかっていた時間を圧縮できると、必要な人的コストは自然と少なくなります。そのため、コア業務や生産性の高い作業に人員を再配置できるでしょう。また、手作業が減ると人的ミスも削減できるため、ミスによって発生する余計なコストもかかりません。
例えば、商材を間違えて少なく仕入れてしまうと、短い納期で追加購入を交渉したり、出荷できないことで顧客へのフォローが発生したりします。システムによるデータ管理は、ミスによる追加工数の発生を未然に防ぐのです。
販売管理システムは、現在の業務を効率化して人的コストを削減するだけでなく、ミスによって発生し得るコストも軽減します。
データの有効活用
蓄積したデータを有効活用できることは、販売管理システムを導入する大きなメリットです。
受注状況や売上などの情報を一目でチェックでき、注文の多い時期や商品を見極められます。情報をグラフ化できるシステムでは、必要な情報を分かりやすく可視化することが可能です。
また、システム上に集計されたデータは、手作業で作成したデータよりも精度が高く、より信頼性のある情報が集まります。
販売管理システムを導入することで、確かな情報をもとにした販促を強化したり、中長期的な経営戦略を立案したりと、データを有効に利用できるのです。
コンプライアンス強化
販売管理システムの導入は、コンプライアンスの強化にもつながります。
システム上では、統一されたフォーマットや方法に従って、データの入力や管理を行います。誰もが作業しやすい方式で業務を進めることで、業務の属人化を減らし、個人に依存している不透明な状況を解消できるのです。
また、販売に関するさまざまな情報が見える化されるため、数字のごまかしや不正が起きにくくなります。
このように、販売管理システムの存在が内部統制となり、業務の透明性が高まることで、社内のコンプライアンスが強化されます。
販売管理システムを導入するときの流れ
販売管理システムを導入するときの流れは、以下のとおりです。
- 目的を明確にする
- 各部署の要望をまとめる
- 自社に合うシステムの検討
- テスト運用
- 社内教育
- 運用開始
まずはシステムを導入する目的を明確にし、目的達成のために業務をどのように改善したいのか、各部署の要望を聞き取ります。販売管理システムを使って業務を最大限に効率化するためには、現場の声を反映することが重要です。
現場の意見を吸い上げるときは、フローチャートや社内の資料を活用し、現在の業務を見える化すると従業員が意見を出しやすくなります。ただし、業務フローに不満の声や非効率な箇所がある場合、まずはフローの見直しておくことが大切です。
話がまとまったら、要望が実現できそうなシステムを検討・導入し、テスト運用を開始します。トライアルが上手くいけば、社内でシステムの勉強会や操作方法の練習などを取り入れて、社内教育も進めましょう。内容や使い勝手、従業員との相性など、総合的にシステムを評価し、問題がなければ実運用を開始します。
販売管理システムの導入には、初期費用やメンテナンス費用、社内教育の工数などさまざまなコストがかかります。費用対効果を高めるために、システムの選定やテスト運用などは妥協せずに行いましょう。
要チェック!販売管理システムの選び方
販売管理システムを選ぶときのポイントは、以下の3つです。
- 業種に合うか
- 機能の充実度
- サポートの有無
それぞれ解説します。
業種に合うか
販売管理システムには、汎用型や業種対応型などがあるため、自社に合うタイプを選ぶことが大切です。
汎用型のシステムは、一般的な販売管理機能が備わっており、さまざまな業種に対応できます。業種の異なる商材を扱っている場合や、基本機能にオプション機能を足してカスタマイズしたい場合に適しているでしょう。
一方、業種特化型は、アパレルや食品、医療など、業界ならではの特徴がある場合におすすめです。例えば、食品業向けでは賞味期限を踏まえた在庫管理ができたり、アパレル業向けでは複数の注文方法に対応していたりと、必要な機能がパッケージ化されています。
幅広い業務に対応したいのかそれとも特化したいのか、自社の業務を棚卸しつつ検討し、販売管理システムを選びましょう。
機能の充実度
機能の充実度は販売管理システムごとに異なります。それぞれの機能の特徴を比較して、自社に合う機能を備えたシステムを導入しましょう。
例えば、システムのなかにはカスタマイズ機能を備えたものがあり、その自由度もさまざまです。既存のパッケージをそのまま利用するタイプや、一部カスタムが可能なもの、柔軟にカスタマイズできるシステムなどがあります。
また、外部システムと連携できる機能があると、既存のシステムと販売管理システムを統合することが可能です。会計や送り状の発行・管理に関するシステムと連携させると、販売業務がよりスムーズになります。
このように、販売管理システムを選ぶときは、必要に応じてカスタマイズや外部連携できる機能が付いているかをチェックすることが大切です。
サポートの有無
販売管理システムにサポートサービスがあるかどうかも、見るべきポイントです。
サポート体制が充実していると、操作方法に不明点があるときやシステムエラーが発生したときに、すぐに対応してもらえます。迅速な対応が受けられないと、業務に支障がでたり、大規模なシステム障害では業務全体が停滞したりするおそれがあります。
また、サポートの問い合わせ方法や受付時間なども確認し、疑問の解消やシステムの復旧に素早く対処してもらえるか確かめておくことが大切です。
販売管理システムの導入が初めての場合は、導入支援サービスが付いていると、運用中のフォローだけでなく初期の段階から細やかなサポートが受けられます。
まとめ
販売管理システムは、販売に関するデータ一を一元管理し、販売業務を効率化できるツールです。販売管理・在庫管理・購買管理の3つが基本的な機能として備わっています。
システムを導入すると業務が効率化するだけでなく、集計したデータを有効活用できたりコンプライアンスを強化できたりと、企業にとってさまざまなメリットがあります。
販売管理システムを導入したいなら、ぜひ「SMILE V2 Smart」をご検討ください。
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販売管理システムの導入を検討している方は、ぜひSMILE V2 Smartをご活用ください。